授業開始10分でわかる「伸びる生徒、伸びない生徒」の違い

講師を始めたばかりのころは気づきませんでしたが、
ある時から、ほぼ確実に短期間で伸びる生徒と伸びない生徒の
違いが、授業中の態度でわかるようになりました。
専門学校で簿記の講義をしたり、SMBCコンサルティングで
簿記経理や原価計算の講義をしたりすると、授業を始めて10分
くらいで、その後伸びる受講生と伸び悩む受講生で、
講義の受け方の様子がすぐに違ってきます。
…そのちょっとした違いとはなんでしょうか?
あなたが生徒になったつもりで考えてみてください。
ヒントとして、選択肢を用意しました。(↓)
1.先生の話をじっと耳を傾けて聞いている人。
2.せかせかとペンを走らせている人。
3.腕組みをしながらテキストをじっくりと見ている人。
4.話に対してうなずいたり首を傾げたり、反応が豊富な人。
5.テキストのあちこちを見ている人。
さあ、考えてみましょう!





答えは…
「2.せかせかとペンを走らせている人。」です。
これは、私の経験上の話です。
一番まずいのが、腕組みをしたり手を膝に置いたりして
「静止の構え」で講師の話やテキストに対している人です。
手の動きは、そのまま「講師の話の反芻(はんすう)」に
なっています。
たとえば一時間の講義中、「聴くだけ(インプット)」、
あるいは「読むだけ(インプット)」の人に対して、
「聴き(イン)」、「読み(イン)」、
さらに「書く(プチアウトプット)」が
ある人は、読むだけ・聞くだけの人よりも2倍
くらいの吸収効率の高さがあります。
書くという作業は、脳のいろいろな個所の神経を刺激
します。書いているうちにふっと新しいアイディアが
生まれる、なんてこともありますよね。
あれ、とにかく手を動かすだけで、本来の知識に関わる
脳の領域以外の周辺部分を絶えず刺激しているから、
ふっとあさっての方からインスピレーションがわくのです。
また、歩いているときにふっと難しい問題の解決法が
見つかったり、新しいアイディアが出る時ってありません?
あれも、書く作業と同じで、歩くという動作、周りの景色
を眺めて何かを感じる、という動作が脳の周辺のあちこちを
刺激しているわけで、その思わぬ外部効果というわけなの
ですね。
講師生活18年で、教壇から生徒たちを見て、
ペンをいつも片手に持ち、ノートやテキストに書き込みを
いつもしながら私の話を聞いている人は、まず9割伸びます。
学習態度が積極的だからです。
はんたいに、私の話を腕組みして聞いている人は、
話に対して半信半疑であるか、思考停止状態で自分から
その知識を使って何かしてやろうという意識が相対的に
希薄です。
じゃあ、どうすればいいのか?
やることは一つ!
「書いて、書いて、書いて書いて書きまくれ!」
これが、どんな資格であれ科目であれ、学習法の超王道です。
習う立場で、まだ初めて間もないのに、
やたらとテキストや教え方に注文をつける人がいますが、
一部の例外を除くと、そう言った人を何百人も見てきましたが、
ほぼ99%、伸びません。
「まずは、言われたことを3回繰り返してから、
それでも疑問に思ったら、もう一度質問に来なさい」
こういって、同じ質問をしに来た人は、実はいままで
一人もいません。
たいてい私がそのように答えを返した場合は、
「ろくに検討もしないですぐにああだこうだ言っているな」
というのが見えているケースで、たいていは自分で何度も
ノートに書いて考えれば、解決できてしまうのです。
あるいは、私のアドバイス通りに3回解き直さない、という
方もいます。いや、こっちの方が多いですね。
つまり、「言われたことを素直に行動に移せない」タイプが
6割はいます。
伸びる人が素直だ、といわれるのはここのところがポイント
なのですね。
とにかく、授業は「ペンを持って書け!」です。
ぜったいに腕組みしてデーンと構えて授業を受ける、
なんてことはしないようにしてください。
講師の立場からしてみると、実はこれ、けっこう偉そうで
不愉快でもあるんですよ~。
そうなると、「ああ、こういった新ネタもあるけど、
この人に話したくないから、ここではやめとこ~(苦笑)」
みたいになり、講師の貴重な経験談とか研究成果を聞き逃す
はめになります。
わたしは、受講生の態度で、その日の話の内容をかなり変えます。
講師という人種は、
「聴きたくない人に、貴重な情報を教えるほどお人好しではない」
ということも、知っておくと上手にセミナーを活用できます。
一方で、
「熱心にメモをとったり、ノートに問題の答えを一生懸命
書いている人」には、非常に好感を持ちます。
そうすると、「今日はここまで話すつもりはなかったけど、
サービスしちゃおうかな~♪」と、思わぬいい話が聞けたり
することもあるのですね!
今日は、
「授業中の態度を見れば、開始10分で生徒の将来の伸びが
わかる」というお話でした。
ぜひ、今後の参考になさって見てくださいね!

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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