減価償却費

減価償却がピンとこないビジネスマンたち

「減価償却」という言葉、一度は聴いたことがある人も多いでしょう。

固定資産の費用を、すこしずつ各事業年度に配分する、アレです。

細かい話は、ここでは、はしょりますが、
建物や機械や車両などの設備資産は、買ってから処分するまでの耐用年数
にわたって、少しずつ費用として落としていきます。

ここで、
「固定資産の取得に要した費用を配分することが、何を意味するのか?」
について、ピンと来ていない方が、意外に多い。

たとえば、リース会社などは、ある賃貸物件を購入したら、それを定率法
という減価償却方法で、できるだけ前倒しで費用を早めに上げようと
します。

これに対し、通常は、収入としての受け取りリース料は、毎月定額です。

ということは、リース開始の初期は、

「定率法により、多く計上した費用」と「定額収入のリース料」をぶつける。

という、ミスマッチな現象を、わざと生じさせるのです。

当然、初期は、多額な減価償却費ですから、おそらく意図的にその
事業でほぼ利益がゼロになる、あるいはそのリース物件固有の利益は
むしろマイナスになる。

…なぜ、こんなことをするのか。

それは、そもそも減価償却が、「自己金融機能」といって、資金を内部に
留保するという特殊な性質を持っている、ということに起因します。

ヒントは、「減価償却費は、その計上時期には、支払を伴わないが費用計上
が認められる会計技術上の費用である。」ということです。

この意味がピントこない事業者、あるいはビジネスマンは、時として
多大な税負担を強いられ、目の前にぶら下がる大きなビジネスチャンスが
もし通り過ぎようとしても、資金不足から指をくわえて見過ごさざるを
得ない、というジレンマに陥る可能性さえ秘めています。

上記の話は、別にリース会社でなくても、一般事業会社でも
事情は同じです。

各期、ほぼ同じ売上高なら、早期に減価償却費を計上した方が、
二重の意味で資金を留保できます。

ひとつは、「税金の節約」

もうひとつは?

この答えにつきましては、宿題といたします。というか、ちょっとした
クイズ感覚で楽しみましょう。
少しの間、考えてみてください。

あさっての臨時配信で、答えを申し上げましょう。

…でも、ヒント無しというのもちょっとアレなので、一つだけ。

ヒントというか、キーワードは、「利益の還元」です。

もう分かった人もいますね。

この辺の話は、公認会計士試験や税理士試験や不動産鑑定士試験の会計理論
では、重要な論点でもあります。

ぜひ、脳のトレーニングと思って、気軽に考えてみてくださいませ。

なお、まったくイメージがもてない、という初心者の方は、
減価償却について、きちんとした講義を受けておいた方がいいと
思います。

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その効果は、場合によっては、内部の資金留保だけでも
100万円単位ですよ。いやほんとに。

そう考えたら、1万や2万の自分の脳に対する投資、
へたな金融商品よりは、よっぽどおおきなレバレッジの利く投資先
でもあるのですね。

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柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
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