現金過不足


金銭の出納記録が漏れたり、間違ったりした場合、
現金出納帳や総勘定元帳における期末の現金残高と、金庫の中
の実際残高に、差が出ることもしばしばです。
後日、原因調査の結果がでれば、しかるべき費用項目または収益項目
に、置き換える(振り替える)仕訳を行います。
------------------------------------
                              lesson.042
  ★ 5分で完結!小学生でもわかる簿記入門 ★      
          
                      2004.08.30
 関連HP  http://bokikaikei.net/       (月・水・金 午前中) 
-----------------------------------
【CONTENTS】
 ○ 現金過不足
(※図が見にくい方は、等幅フォントまたはMSゴシックでご覧下さい) 
-----------------------------------
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 ○ 現金過不足
 現金は、日常的に出たり入ったりする財産です。
 会社の管理レベルにもよりますが、専門の経理担当者がいないような、小規
模の会社などでは、忙しさのあまり、金銭の出納記録が漏れたり、間違ったり
することが、時々おこります。
 そうすると、現金出納帳や総勘定元帳における期末の現金残高と、金庫の中
の実際残高に、差が出ることもしばしばです。
 そんな時、原因を調査している間、仮に集計しておく勘定科目が、
「現金過不足」勘定なのです。
 この、現金過不足勘定は、借方に発生することもあれば、貸方に発生するこ
ともある、ちょっと代わった勘定科目です。
 なお、後日、原因調査の結果がでれば、しかるべき費用項目または収益項目
に、置き換える(振り替える)仕訳を行います。
(例1)金庫の実際残高が20,000円で、現金勘定(帳簿)が18,000円の場合。
(借)現     金+2,000 (貸)現 金 過 不 足 2,000 
     
 ※実際残高にあわせるため、2,000円増額する。相手勘定は、仮に現金過不
  足勘定で記入しておく(間に合わせ)。
(例2)後日、原因が判明した場合(例:手数料の受取)
(借)現 金 過 不 足 2,000 (貸)受 取 手 数 料+2,000
(例3)金庫の実際残高が15,000円で、現金勘定(帳簿)が18,000円の場合。
(借)現 金 過 不 足 3,000 (貸)現     金▲3,000 
 ※実際残高にあわせるため、3,000円減額する。相手勘定は、仮に現金過不
  足勘定で記入しておく(間に合わせ)。
(例4)後日、原因が判明した場合(例:交通費の支払の記帳漏れ)
(借)旅 費 交 通 費+3,000 (貸)現 金 過 不 足 3,000 
                
 ◆ 練習問題
 次の取引を、仕訳・転記しましょう。
 (1)期末日における現金勘定残高が10,000円に対し、現金の実際残高
   が9,000円だった。とりあえず、差額を現金過不足勘定に振り替える。
 (2)翌日、その内容が、次の2つの原因であると判明した。
    1.切手4,000円分の購入(通信費)の記帳漏れ
    2.手数料の受け取り3,000円の記帳漏れ
   ※上記、1の現金支払4,000円と、現金入金3,000円の記帳漏れの差額
    1,000円が、帳簿残高10,000円と実際残高9,000円の差となっている。    
【解答用紙】単位:円
 <仕訳帳>
   ――――――――――――――――――――――――――――――
(1)(借)            (貸)      
(2)(借)            (貸)
   ――――――――――――――――――――――――――――――
<総勘定元帳の一部>
  ―――――――――――――――――――――――――――――――
 +    現   金   -   
 ―――――――――――――――  
        |                        
        |                
/     現金過不足      \
|――――――――――――――― |
|       |        |
|       |        |
\               /
 +    通 信 費   -   -    受取手数料    +
 ―――――――――――――――  ―――――――――――――――
        |                | 
         |                | 
  ―――――――――――――――――――――――――――――――
【模範解答】単位:円
 <仕訳帳>
   ――――――――――――――――――――――――――――――
(1)(借)現 金 過 不 足  1,000 (貸)現     金  1,000     
(2)(借)通  信  費  4,000 (貸)現 金 過 不 足  1,000
                     受 取 手 数 料  3,000
   ――――――――――――――――――――――――――――――
<総勘定元帳の一部>
  ―――――――――――――――――――――――――――――――
 +    現   金   -   
 ―――――――――――――――  
        |(1)  1,000                        
        |                
/     現金過不足      \
|――――――――――――――― |
|(1)  1,000|(2)  1,000 |
|       |        |
\               /
 +    通 信 費   -   -    受取手数料    +
 ―――――――――――――――  ―――――――――――――――
 (2)  4,000|                |(2)  3,000 
         |                | 
  ―――――――――――――――――――――――――――――――

柴山式簿記講座受講生 合格者インタビュー
商品に関するご質問・ご相談はこちら